2019/11/28雨の香りと消えない闇…飛鳥
「今月も無事か…」
数日前に受けた検査の結果を病院で聞いた後に私は都心のターミナル駅へと向かった、途中から雨が降ってきた
少し落ち込んだ出来事があり、飛鳥に会いたくなったのだ
前日に会社で別の部署の男性、肇(はじめ)にお茶に誘われて会っていた。
男性と二人で過ごしたことにより彼氏と別れた寂しさが蘇り、なぜかその時から飛鳥に会いたいと思っていた。
1時間後、雨の中私は彼を待っていた。
「今日はどうしたのさ」
1分前に彼は現れた
「色々あって」
今日はファストファッション店の前で待ち合わせをした、ここも女性用風俗の待ち合わせ定番スポットである。
屋根のあるところで待っていて傘は畳んでいたのもあり、そのまま彼の傘に入ろうとした
「ん?」
私の濡れた傘を見て少し怪訝な顔をされた
「…入っちゃダメ?」
「いや、いいけど」
そのまま相合い傘でラブホテルへ向かいチェックイン、
そしてカウンセリングやシャワータイムを経てアロママッサージを受けながら私はひたすら話したいことを話していた。
「飛鳥君と話してたら、なんか色々思い出しちゃった」
「言っちゃえ言っちゃえ」
足裏マッサージが気持ちいい
「こんな雨の日だったな、彼氏と付き合ってた時…」
仕事帰りの彼を待っていた時、私は襲われた。
その時のことはほとんど覚えてはいないが、翌日アフターピルを飲んだことははっきりと覚えている。
その後彼との子供を妊娠したが流産してしまった、襲われた時にうつされたクラミジアの影響であった。
不幸な事は続くもので、彼は流産と同時期に事故にあった。
「なるほどねぇ」
彼はマッサージを絶やさず私の話を最後まで聞いてくれた。
「だから、私はもう子供を産めないのかもしれない」
「今は治療も進んでるけど、それでも厳しいの?」
「みたい」
出産のタイムリミット、その点もあり私は早く不妊治療をしたい。だから私は婚活もしていた。
「でも良い人見つからない、そんなこと考えてたらなんか会社のよくわかんない男の人にお茶に誘われてさ」
「よくわかんないってひどいな、独身なのその人?」
「わかんない、でもなんか魔法使いっぽい」
魔法使いとは30歳以上で童貞の男性を指す
「魔法使いが誘ってきたなら、美咲のこと好きなんじゃないかな?」
「どーだか、私デカいし胸ないし男ウケ悪いもん」
かなりの自虐である
「まぁ確かにまな板だね」
飛鳥は毒舌キャラ、こんな性格でも店のランカーなのはすごいことである。
「でも美咲は顔整ってるし普通に女の子として通用するレベルだよ?」
本音が多い飛鳥だからこそ信じたくなる。
アロママッサージが手先まで行ったところで彼は姿勢を変え一度立ち上がった
「じゃあ性感しよっか、この間やったから要領は大体わかってるし」
私は仰向けになり、目を閉じて言った
「何もかも忘れさせて」
その後私は、何度も果てた。