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2019/12/11そんな日もあるの…智

「なんなんだろうねあの人は」

雨が降る日曜日、私はラブホテルで智にアロママッサージをされながら肇のことを話した。その日の前日も彼と会ったがすぐにデートが終わってしまったのだ。
「でも好意はあるんじゃない?」
「わかんないよ」
私はどんなに男性から誘われても好意があると確証を得られない。
「そんな何回も誘ってくれて奢ってくれんでしょ?」
「そうだけどさ、実家暮らしで魔法使いじゃ奢ったところで金困らないでしょ」

男性の気持ちははっきりと言葉にされるまでは信用しない、できない。
私が肇の誘いを断らなかったのは暇つぶしになっていたからということもある。なので好きでなくても会う人はいるという認識だ。

アロママッサージを経てオイルマッサージを経て性感へ移る際に、覆いかぶさってきた智に抱きついた。
「今日甘えん坊だね」
「んー」
不意にそう言われた
「いつもより抱きついてくる、カウンセリングやお風呂でもそうだったし」
全く意識はしてなかった。

舐め好きで指も長くとても技術が高い智、私は施術の後に思い出して一人でことに及んでしまっているほどだ。

快楽の時間は早々にすぎ、最後のシャワーへ
私が先にバスルームから出て体を拭いて服を着たところで彼がドアを開けたのでタオルを渡した。

体を拭いた智が服を着る、智は毎回とても丁寧に服を畳んでいて、彼の育ちの良さが垣間見える。
彼の横顔を見た瞬間、髪ととかしていた私の手が止まってしまった

そんなわけないのに…

一瞬、彼に恋しているかのような感覚がよぎった
その気持ちに気がつかれぬよう、そっとその場を離れてソファーに座った

数分後、身支度を終えた智と私はソファーに並んで座っていた
「良い色持ってんじゃん」
「そう?」
今日は私が持っている化粧品で化粧をしてくれるとのことだったので持っているものをたくさん持参した。
ベースメイクから技を習う、普段の手抜きメイクとは少しだけ違う
「目いくからー閉じで」
瞳を閉じる、そっとブラシが触れる感触がする
何重に色を重ねただろう、そう思いながらも出来上がりを待ち遠しいと思っていた
「開けて」
瞳を開けると智が鏡面を私に見せていた
「あ!」
普段と違う目元の私が居た
「特別なものとか揃えなくてもこれくらいできるからね、ベースカラーは…」
私の持っているあまり高価ではない化粧品でもここまで綺麗になれる、気分が上がる。
「んじゃ行こうか」
鏡を覗いていた私に言った
「うん…」
化粧ポーチと紙袋に持ってきた化粧品をしまい部屋を出た。
すぐそばの最寄りの駅の改札の前、私達以外にも別れを惜しむ男女がいた。
でも、彼らはきっと私とは違う…

智が私の方を振り向き抱きしめてくれた。

離れたく…ない…!

そう思った。

何秒かして、腕を互いにそっと離す。
「またね」
笑顔で手を振りながら改札の奥に彼は消えていった
智を見送り手を下ろした私は、アイラインが滲んでいた。

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海野夏菜
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