女性向け風俗コラム

2019/12/25相性…貴弘

彼に出会って私は初めて、身体の相性の意味を知った。

貴弘(たかひろ)は周りの女性用風俗ユーザーたちの中でも特にオススメされていたセラピストであるので、とても楽しみにしていた。

当日は例の会社の男性、肇ととある郊外の町でランチをしていた。しかし思っていたより早くデートが終わってしまい退屈していた
彼とのデートはいつもすぐ終わってしまうからつまらない、お金は全額出してはくれるけれど。
交通費以外はかからないけれどつまらない男、私はその後に何万円も払わないと会うことすら叶わない男と会うのだ

「現実の男か、夢の男か」

一人で入ったカラオケボックスで椅子に座った私はそう呟いた、予約時間まであと4時間もあるのに彼が帰ってしまったのだ。
目の前のテーブルに置かれた電子目次本から私はお気に入りの曲を選んで歌うことにした

深呼吸して…鼻を通して…口を開く!

4時間後、私は待ち合わせの家電量販店の前に行くと既に彼が待っていた。私が近づいていくと彼が振り向いた。
「美咲さんですよね」
「貴弘さん?」
彼を見た瞬間、なぜか幼少期に近所の家で飼われていた犬のレオン思い出した。雰囲気が似ているのであろうか…

典型的な中肉中背、かなりの色白で髪が明るい茶色である。
ホテルへ歩こうとしたところで肩に腕を回されてしまったのでそのまま歩く
「ホテルなんですけどね、良いところが満室だったんすよ」
「へぇ」
ホテル外での密着度で彼に勝る人はいるのであろうか。

それにしてもレオンに似てるなー…
なぜかそのことが頭から離れない

チェックインを済ませ部屋に入り荷物を置きベッドに座ると彼が横に座りカウンセリングを始めた
「んじゃあ美咲さん」
「はい」
思わず背筋を伸ばして座り直してしまった
「お、なんかいいね」
貴弘の謎、彼が良いというポイントはわからない。
カウンセリングを済ませ一人でシャワーを浴び、ガウンを着て戻るとベッドはすでに用意されていた、ベテランセラピストの手際の良さが光る。
「じゃあ僕も入ってきますね」
私はベッドに寝そべりSNSアプリを開き他のユーザーの投稿を見ながら待っていた、数分後彼がガウンを着て出ててきて言った

「足下ろして座って」
言われた通りベッドのふちに腰掛けた私の肩を揉む。
少し強めだがとても気持ちよく、思わずまどろんでしまっていた

「じゃあー美咲さん」
不意に彼が首に腕を回して私の耳に息をかける
「ひぃ…」
「今日は指名してくれたのでたくさん楽しんでもらいますよ」
両腕で上半身を背後から押さえつけられて身動きが取れない
私は身震いしつつ、少し喘いでしまった
「どうしたんですか?まだ始まってないのに」
この段階で既に疲れ始めていた、そこから長い時間が始まった。

彼と抱き合うたびに居心地が悪いと感じる、骨が当たるというか。そして一つ一つの行為の時間が時間が長すぎて私は疲弊する

レオンみたい…
本気で楽しめなかった理由はそれもあるのであろうか…

ふと、篤が言っていたことを思い出した
「相性は半分なんだよ」
貴弘は技もある、仮に点数をつけるとしても60点というところだ。
技術があるので相性が悪くてもこの点数だ、体の相性の意味を知った

長くて疲れる性感を経て、時間が来たので二人でシャワーを浴びて身支度を済ませた。
彼が上着を着ているときに私はトイレのドアを開けて中に入ろうとした時
「え…」
「ん?」
貴弘がそこに立っていてドアを外側から引っ張られ閉めさせてくれない
「今から入っ…」
「何か問題でも」
彼の真顔に恐怖さえ感じた…貴弘はそういうフェチなのであろうか。
最終的に私はこの修羅場をどう抜けたのか、それは私と彼だけが知る。

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この記事を書いた人

海野夏菜

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