女性向け風俗コラム

2020/3/7気がついた恋…飛鳥

「あーまた逆!」

ヘアアイロンで髪を巻く私
飛鳥と好きな飲食店で食事をすることになった、たまたま団体客がいて夕方の早めの時間にしか予約がとれなかったのであるがとても楽しみである。
「…うまくできない」
私の髪はかなりの直毛、うらやましいとよく言われるのだが簡単に癖がつかないのでたまに苦労する
「思ってたよりゆるいけどなんとかなった…これでいいか」
整髪剤で最後は整えてヘアバンドをつけ化粧を仕上げ家を出た

1時間後
「乾杯」
合流して入店し共にお酒を飲む、好きな人とそばにいるだけで幸せ。
智に教わった化粧の技を駆使したメイク顔がグラスに写る

あー…グロスついちゃった…
グラスを置いて親指でさりげなくグラスのふちを拭く

いつもより、かわいくできたかな?飛鳥君気づいてくれるかな?

料理が運ばれて来たので取り分けようとしたその時「失礼しまーす!」
近づいてきた男性が何も持っていないはずの手から赤いリボンがついた濃いオレンジ色のカーネーションを一輪出した
「え、すごい!」
飛鳥が驚きながらそれを見る
「マジシャンの翔太です、どうぞ。お!お姉さんこの間も」
「こんにちは」
翔太にカーネーションを渡された、この店には何度も来ているので彼とは何度も会っていた
テーブルでマジックショーが見ることができる、それも無料である
マジックに関する説明をした後に私と飛鳥が参加したマジックを披露してくれることに
「じゃあお兄さん、ストップって言ってください」
トランプを切っている翔太を二人で見る
「ストップ」
手を止めた


「一番上のカードを渡します、二人で見て覚えてくださいね」
トランプを置いた場所からわからないように移動させるが置いた場所と違う場所に現れるトランプ、それを何度か繰り返し最後にトランプの箱にしまう
「開けてください」
翔太が飛鳥に箱を渡して開けてもらう
「ない…?」
飛鳥が箱の口を下に向けても出てはこない
「お姉さんのスマホの裏見てください」
テーブルに置いてある私のスマートフォンの裏側を見た
「ええ!?」
「なんで!?」
小さなトランプのシールが貼ってあった、ハートのエースである
「ありがとうございました!僕の名刺です」
マジシャンの翔太、中肉中背で見た目は20代後半といったところであろうか。
黒い名刺を飛鳥に渡した

おいしい料理に楽しいマジック、そして。大好きな彼…なんて幸せな時間なんだろう

この幸せが…ずっと続いてほしい…

1時間後、店を後にして駅まで手をつないで歩く、少しだけ距離があるのだがあっという間の時間に感じる。
つないだ手に力が入る

離れたくない…
あと何時間一緒に過ごせるのだろう

霜月の夜、多くの人が行き交う駅前を二人で歩く
「ふぅ…無事に点灯」
私の横をすれ違った女性の一言が気になりふと私は左側の駅前広場を見てみた
「あ、見て!」
大きなクリスマスツリーの点灯式を行っていた
「おー…」
彼と一緒に巨大なツリーを見上げる、その前のステージで小柄な女性がサキソフォンでクリスマスソングを奏でていた。
長い黒髪がよく似合う小柄な女性

ちっちゃくて、かわいいなあの子…同い年くらいかな?服もメイクもかわいい

来年は彼と一緒に見ることはできない…
急に淋しくなって彼に寄り添った
「ん?」
飛鳥が一瞬私を見て抱き寄せてくれた。

離れたくない…
涙がこぼれそうになった

「行こうか」
「うん、そろそろ時間だもんね」
二人で改札へ歩く、ちょうど電車が来たようで多くの人が改札から出てきていた、中に入る前に飛鳥と向き合って立ってキスをした。

好き…!

こらえきれないその気持ちで私は飛鳥に抱きついた、そんな私を彼はそっと抱き替えしてくれた。

「美咲さ」
「ん?」

彼が腕を離し、私の目を見て言った

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海野夏菜

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