女性向け風俗コラム

2020/5/25お話聞いて…蒼司

「飛鳥君が好きなの」

珍しく雪が降った日、ホテルで蒼司と添い寝しながら話していた

「そうなんだ」
「うん…」
安いホテルの簡易的なベッドで横になって蒼司の腕枕で寄り添う。

「そりゃさ…おかしいのもわかってるよ、でもね…たぶん」
「たぶん?」
彼の胸に顔を寄せた
「一目惚れ、だった」

思わず涙が出た

「そっか」
彼と初めて会った日のことは、忘れることはできない。

「デートもしたんだ、私が好きなお店でね。」
好きなレストランでの話もした
「えー凄いねその店」
「写真みる?」
「うん」
スマートフォンの写真フォルダで食べ物の写真を見せる
「めっちゃおいしそうだね」
「うん」
ボリュームのある料理、味も良いのだ
写真野奥にあるフォークに飛の手が写っている
「このパン甘くておいしいんだ」
「これ一人前?」
「うん、ハーフサイズでこの半分だからすごくおっきいの」
写真をさらにスワイプしていく
「え?黒いの?」
「うん、パエリア」
個性が強い料理、値段もさほど高くはなく量も多い。
「オリジナルカクテルもいろんな種類があってね…」
写真を見せながらひたすら店のことを話す。
「飛鳥君とね、他にもいろんなとこ行ったし、もっともっと行きたいんだ…」
そういった瞬間涙が出る、彼との別れまであと2ヶ月…あと何時間、一緒に過ごせるのかな。
スマートフォンを枕元に置き蒼司に抱きつく。

「お金もね、もうそろそろきついんだ…それなのにやめられないの」
「安くないもんね」
昼職の私が月に万単位のお金を使う、実家暮らしとはいえ貯金を切り崩してしまっていた。
「変だよね、あのまま彼氏と結婚してたら。このお金は結婚式とかの費用だったんだろうなって…」
いくら時間が過ぎても、一度結婚を意識した元彼を完全に忘れることはできなかった
「人生何があるのかわからないもんね」
「うん」
私はスマートフォンを手に取り画像フォルダを再度開いた
「こんなのもらったんだ」
「ん?」
画像フォルダから飛鳥が描いた私の絵を見せた
「へぇーうまいね。そっくり」
「そうかな?」

私の宝物…

「いっつも貧乳って言われるし、そんなに優しくないのにさ。なんでそんな人好きなんだろうってよく思うんだけど…わかんないの」
「恋ってどこで芽生えるのかわかんないからね」

持っていたスマートフォンを顔の横に置いた
「蒼ちゃんは最近恋した?」
「俺?」

予想外の私の話題に少し彼は驚いたようである
「してないね」
「そっか」
セラピストという職業柄恋愛はしないと決めている人が多いようである
「でも…彼女いたことはあるんでしょ?」
「うん、学生の頃だけどね」
蒼司の恋愛話を聞くことにした
「実はさ、セラピ始める少し前にSNSでたまたま元カノ見つけたら、もう結婚して子供が二人もいたんだよね」
「同い年?」
「そう、もう別れて…8年だし。」
蒼司は私より一歳年上。同じアラサーとして結婚や子供の話題は出てくるものである
「もしあのとき別れてなかったら、俺が彼女の横にいたのかな、なんて思ったけどもう今更なんだよね」

蒼司君、彼女さんのこと好きだったんだな…
彼は、私をどう思ってくれてたのかな。

別れた元恋人とも、今恋している人とも幸せにはなれない

赤く彩られた私の頬は濡れていた

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海野夏菜

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