写メ日記
No. 8 サッカー戦記その2
2024年3月10日 21:05 の投稿
突如現れたサッカーおじさんから手に入れたサッカースクールへの誘い。
せがむハク少年と母親との、長きにわたる死闘を経て、ついぞ入団への道へ。少年が次に目指したのは、プロサッカー選手への長い道のりでした...
ド緊張で向かう初日。
色黒おじさんとの久しい邂逅は、温かい(そしてちょっと苦しい)抱擁とともに迎え入れられ、
練習場まで一緒に来てくれた母の姿を背中に、これから作家生活を共にするチームメイトの輪の中へ入って行きます。
その時に初めて、体育の授業で使うプニプニのボールではなく、本格的なサッカーボールに触れました。
まだ幼い少年の手には幾分か大きく、勢いよく蹴り出すと、ビビビッという衝撃がつま先から流れてきます。
これが本物か、と冷めやらぬ興奮は家に帰ってからもしばらく続き、先生みたいなプレイをしたい、自分のボールが欲しいと、はやる気持ちを一生懸命堪えるのでした。
溢れる万感の思いは翌朝になっても続き、その情熱はトイザらスへを足を運ばせ、ついぞ手に入れた新品のサッカーボールにを矯めつ眇めつ優しくゆっくりと撫で上げ(フェザータッチ..?)、
傷をつけたくないという雑念を殺して公園に赴きます。真赤な太陽が大きな顔を出し、夕焼けとなって空をお月に譲るまで、ただひたすらに、がむしゃらに練習をしたのでした。
しばらくしてから、ようやく初めての大会があると聞いて、監督から呼び出されました。
「今度の大会、上級生のとこに出場してみ」
....え、でるー!!!
純粋無垢な少年の一途な努力は功を奏し、上級生の大会出場への飛び級を果たしたハク少年。
これから待ち受ける試練など知る由もなく。
つづく