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写メ日記

十夢と美術⑨ヌードについて(こっちが本当の後編)
(前回の日記の続きです!)
一応の自己紹介、AiryLoveの十夢です。
カバネルの『ヴィーナスの誕生』を語る上で絶対避けては通れないのが全くの同時期に描かれた今回の写真(ちゃんと反映されるといいんだけど……)
エドゥアール・マネの『草上の昼食』
むしろこの作品のほうを語るために、新時代の踏み台にされたのが『ヴィーナスの誕生』なのかもしれない……ってかそう
役者が揃ったのでやっとヌードについて話を進めるんだけど
ここで急に重要なこと
そもそも西洋美術においてヌードはタブーなんです
理由は単純で、風紀が乱れるから!いやらしいものを作るな!
謎すぎないですか???
昔も当時も裸婦画なんて散々描かれて、名作と呼ばれた作品なんていくらでもあるのに……
そこには当時の画壇にある暗黙の了解があったからなんです
それは「対象が神ならヌードではない(裸婦画ではなく宗教画である!)」
当然神なんて目視できないわけで(ぼくには見えないのですが…)、だからモデルに人間の女性を使ってたわけなんですけどね
だからヴィーナスの裸体を描くのはセーフ、だってヴィーナスは人間じゃないから……
そんな暗黙の了解に挑戦状を叩きつけたのが『草上の昼食』なんです
『草上の昼食』という主題の宗教画はなく、ただの風俗画……ってことは画中に描かれているのは全て人間なわけ
そもそもこの絵って致命的に変なところがありませんか?
タイトル通り「昼下がりに公園でランチをしよう」という中に、何の脈絡もなく全裸の女性がいる、本当に意味が分からない
マネが『草上の昼食』を完成した時には既にパリで有名な人物だったんですが、全裸の「人間」を描いてしまったこと、そして必要ないはずの主題に裸体を描いたことでとんでもない批判を浴びることになるんです
しかもマネはこの作品をコンテストにまで出品するんですよね……!
当然ではあるんだけど、マネの知名度と画力ではあり得ない1回戦負け
そしてそのコンテストで1位になったのがカバネルの『ヴィーナスの誕生』だった
なぜ、同じ女性の裸体を描いていて
『草上の昼食』は1回戦負けで『ヴィーナスの誕生』は1位なのか?
人間の裸体を描いていてしまったから?
カバネルも人間の女性を脱がせてモデルにしているのに?
どんなに美しい女性の裸体を描いても、それが人間だったら、必要ではない場面だったら、芸術的価値も美しさも損なわれてしまうのか?
そんな誰もが疑わなかった
美術の常識をたった1枚で破壊したのが『草上の昼食』なんです
そして美術の常識を破壊していく流れは、マネの手から離れてもどんどん大きくなっていく
マネには通称があって、それは「印象派の父」
この後ドガやモネ、ルノワール、そしてゴッホと
その運動の始まりがまさに、「ヌードとは何なのか?」「美術とは何なのか?」
常識に囚われず真の美しさを追及する時代が到来する、そのきっかけなんですよね……!
久しぶりに頑張って日記を書いてみた!如何でしたか?
またしばらくは通常運行に戻るんだけど読んでくれたらと思います、泣
それではっ
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