『いただきますのその一言に救われて』

　　僕は最後の一滴までいただきました。

　どうも。電車ではいつも端っこに座りますが、特に左側壁希望のこだわりが強い伊達男。友樹です?。（かっこいいだろう。）ちなみに、空いてなかったら普通に真ん中でも喜んで座ります。

　あの端っこに座れて、あぁ幸せ。目的地まで一眠りでもって時に、どうして、いやソナタも望まれんだろうけど、ロングのヘアーの女性(男性でもOK)の髪の先端が僕の髪の毛にソワソワさわさわ (ムクムクちゃうわ！)。端っこクウォリティが。。しっかり昨日シャンプーしておいて良かった?迷惑をかけちゃーいかん遺憾。

　いやすぐにアタマ起こしてまっすぐに座りますよ。すみません。壁にもたれ掛かろうなんて、根が腐っとるんねん。男は黙って着席不動１択じゃ！これは面白い。左に見知らぬ人が居ると落ち着かない。けれども手を繋ぐなら左手で繋ぎたい。(あれ。そーゆーの禁止になったんだっけ？)

　たぶん利き腕を自由に使いたいっていう動物的本能が蠢いてるのかな？もうそんな物騒じゃない (よね？おばあちゃん？)

　そしてね。ラーメン屋さんよ。どうしても左に人がいるのがイヤでイヤで。笑 お好みがうるさい。(お好みは全部普通派です?まぁーお好み普通がそのお店の味なら、楽しませてもらおうじゃないかスタイルです✨) 

　この前ね。ホントに久しぶりに、(本当か？) ラーメン屋さん入ってさ、ちょっと混んでて (いつもはそんなことないのに)(失礼！) 致し方なしに、左にお客さんがいる席についてね。(あーやっぱり気になるなぁ〜)って思いながらもね、それはその人も思ってるよ？って自他共に認めながら。『全部普通で！！』『ラーメン一丁お好みは無しのほうれん草マシマシ！』(『健康面気にしてまーす』)『家系きときながらー』『(抗いまーす)』と一通り心の中で店員さんとコミュケーションとって、ちょこんと座ってたのよ。そしたらさ、

　【いただきます】の一言が。

　おいおいおい。夜も更けに更けた夜中の10時30分。花の都大都会この東京のラーメン屋で。みんな寂しい思いを持ち運びながらも、それを表に出さず、さも僕は、私は、これから予定が、会う人が、家に帰れば暖かい“おかえり”が待ってるかのように颯爽と歩くこの街で。人の多さに対して指数関数的に増える寂しさの量と質。そんな街の片隅のラーメン屋さんで、焦りながら油とほうれん草で寂しさを埋めようとしてた矢先に聴こえたその会心の一言よ。

　ラーメンなんて食いたいから食べてるんじゃなくて、そのいっときの寂しさを埋めるための手段に過ぎないのよ店員さんごめんなさい♡ (ウソよ) だから食事をしますの“いただく”よりも、この空っぽの心をこってりの油で埋めてくれって、出てくるや否や、間もなく矢継ぎ早にスープを口に運んでは、満たされ、運んでは、満たされ。忘れていました『いただきます』。

　『え？』って、恐る恐るよ。左側に座ってる得体のしれないナニカを見ると。十中八九男子大学生が、ここ大事！試験出るで。“手を合わせて”、(幸せちゃうねん！)『いただきます』ってさ。あまりにもそのキレイな眼差しに、豚骨ラーメンが塩ラーメンになるとこよ。

　あああぁぁ。なんて卑猥な気持ちで僕はスープをすすってたんだろうって。(今さら言うか？触発されたいただきます？店員がにらんどるで？おお？触発サレヲマンか？)。ふ。俺かてひねくれ生きてもう10年弱。そんなことじゃあどうじま千駄ヶ谷。気にもせずに、すするやすする、あぶらーめん。

　あかん。勢い余って鼻水が。って時に、自分の目の前のティッシュが残り一枚で。マジやで。キレイに畳んで、丁寧にかむのだけれどすんごい量。(汚くてごめんなさい) あーもう一回もう一回♪ふんがーしたいけど。

　『どうぞ』(言っとらんよ) あんね、できる男はそっと無言で差し出すんよ。(さすがにハンカチちゃうで) これ見よがし度ゼロ。(おれはこれ見よがし検定特急) その爆裂純粋好青年が自身の眼の前にあったスコッティを。(「すみません？セラピストに興味ありませんか？貴方みたいな人を探してるんです。」)って心の中でスカウトして「ありゃあしゃす」って、鼻にスコッティ突っ込みながら汚いお礼を述べて。

　この時点で、ラーメン屋さん左に見知らぬお客さんがいると食べログで満点つけるの (お店関係ないのに)ちょっと躊躇する説を星一徹ばりにひっくり返して。星3つ？☆☆☆？足らん足らん。ミシュランガイドブックの星を全部集めても足らん足らん。書棚の名前が全部「新一」になるくらいかき集めて。

　「美味しい。美味しい。美味しい。」って１滴残らず食べ飲み尽くさせていただきました。ってモチロンで青年は気持ちよく。(おじさん。イクで？ほんま。)『ご馳走様でした！』って。僕は貴方の全てに「ごちそうさま」よ。

　深夜も更けたとて心は若返った11時。おまけに食欲も大いに満たされたお話でした。触発サレヲはね。それからどんなけ心がささくれようが、どんなけ孤独に苛まれようが、カウンターでも「いただきます。」って言うようになりました。(当たり前や。)

　これは『いただきます』副作用で、カップラーメンでも『いただきます』って手を合わせるとものすごく健康的なモノを食べてる感覚になって心も整うのよ。(いや、安藤百福さんが本気で作ったんだから身体に良いに決まってるのよ！)ってスターバックスから失礼しました。